街道を歩く 伊勢本街道
伊勢本街道
伊勢本街道 桜井から敷津
大和と伊勢を結ぶ街道は、北から初瀬街道(あを越え伊勢街道)、伊勢本街道、和歌山街道(高見越え伊勢街道)の3ルートが知られています。
今回、伊勢本街道の奈良県の桜井から御杖村敷津までのマップを[風景街道「伊勢街道」連絡協議会]と共同で制作しました。
マップの中には、高低図や付近の名所や他に歩ける道など記載しております。宇陀市の榛原以降は山の中を歩くことが多くなりますのご注意いただき、このマップを参考にご利用ください。
2021年10月1日現在のデータをもとに作成しています。変更されている場合もありますので、おでかけの際にはあらかじめご確認ください。
本マップは、風景街道「伊勢街道」連絡協議会、関係市町、関係団体からデータ、写真、その他必要な情報の提供・協力を受け作成しています。許可なく転載、複製はお断りいたします。
大和と伊勢を結ぶ街道は、北から初瀬街道(あを越え伊勢街道)、伊勢本街道、和歌山街道(高見越え伊勢街道)の3本が知られています。街道の名前は目的や大きな峠を頭につけて呼ぶことが多いのですが、神宮の遷座にかかわる倭姫命の巡幸の道とされた伊勢本街道だけは、どちらからも「本街道」と呼ばれ参宮者に利用されてきました。
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桜井(桜井市桜井~慈恩寺)
かつて古代ヤマト王権の中心地であった桜井からは多くの古道が四方に延びている。四季折々の自然に誘われ、道端に残る歴史を訪ねてみよう。
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朝倉(桜井市脇本~初瀬)
古代からこの道は東国への重要なルートで神武東征はじめ「記紀」や万葉歌の舞台が沿道の各所に残っている。現在の国道165号は昭和初期まで桜井駅~長谷寺参道間を運行していた「初瀬軽便鉄道」の軌道跡である。
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初瀬(桜井市初瀬~吉隠)
長谷寺は朱鳥元年(686)創建ともされる真言宗豊山派の総本山で、平安中期には紫式部や清少納言により観音参りが広められた。上化粧坂へは仁王門の横を流れる初瀬川を少し遡った連歌橋を渡り、與喜天満神社前を通る。
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西峠(桜井市吉隠~宇陀市榛原萩原)
桜井慈恩寺から宇陀市榛原の萩原まで街道は一本しかなく、かつては伊勢参りや長谷詣の多くの旅人が行き交った。墨坂と呼ばれた峠は宇陀市榛原の西に位置するため、今では西峠と呼ばれている。
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札の辻(宇陀市榛原萩原~榛原自明)
あを越え伊勢街道(初瀬街道)は江戸時代に津の藤堂藩が整備し、峠が少ないことから多くの参宮者が利用。昭和5年の鉄道開通により道は鉄道の軌道や国道に姿を変えたが、沿道の宿場町には伊勢参りの講看板や常夜灯が残され、今もいにしえの賑わいを伝えている。
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高井(宇陀市榛原高井~榛原赤埴甲)
宮田家前を直進すると約2Kmで室生寺の南門といわれる仏隆寺へ。4月中旬には樹齢900年を超えるといわれる「千年桜」が花をつけ、秋には彼岸花が彩りを加える。ここから唐戸峠を越えて約5.7Kmで室生寺に至る。
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石割峠(宇陀市榛原諸木野~宇陀市室生上田口)
街道最初の難所とされ、大阪府との境にある生駒山よりも高所を通ることになる。峠の名前は三郎岳と南の通称石割岳との鞍部の石を割って開いた峠とも、凍結した氷が岩を割ったからともいわれている。
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上田口(宇陀市室生上田口~室生黒岩)
榛原駅から一日の行程は曽爾村山粕までが一般的だが、シャクナゲや紅葉の季節には、ここから室生寺や弁財天を訪ねるのはいかがだろうか。事前に帰りのバス時刻をチェックして、ひと味違う街道歩きを楽しもう。
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山粕峠(宇陀市室生黒岩~宇陀郡曽爾村山粕)
黒岩の集落を過ぎると、山間とは思われないほどの平地が広がっている。行悦道標のある分岐を左にとると宮城集落を経て曽爾村の屏風岩へ。山桜や紅葉に彩られる屏風岩の麓には「記紀」の悲恋物語に登場する仁徳天皇の弟、速総別王(はやぶさわけのおおきみ)を祀る速総別神社がある。
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鞍取峠(宇陀郡曽爾村山粕~御杖村桃俣)
「お伊勢参りして こわいとこどこか かい坂ひつ坂くらとり坂 つるの渡しか宮川か」と謡われた本街道の難所のひとつ。飼坂峠は津市美杉町の奥津と上多気の間、櫃坂は上多気と松阪市飯南町の仁柿の間にある。山間部をぬけると次は川渡りが難所になる。
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土屋原(宇陀郡御杖村土屋原~桜峠)
村名は垂仁天皇の皇女、倭姫命(やまとひめのみこと)が天照大神鎮座の地を求めての旅の途中、宮の候補地として自らの杖を残したという伝承に由来する。多くの伝承から「神の御心に叶う」といわれた街道は約14kmにわたって村内を東西に通っている。
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菅野(宇陀郡御杖村菅野~牛峠)
江戸中期に菅野村の六十六部行者、行悦は本街道沿いに9基の廻国供養塔を残している。それらには、大和の初瀬と伊勢宮川までの距離が示され、旅人にとって大変便利なものであったと考えられ、今では愛着を込めて「行悦道標」と呼ばれている。
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神末(宇陀郡御杖村神末~佐田峠)
御杖神社の棟札には「伊賀之国名張上津江之御宮造宮」と書かれたものがあり、中世から近世初めまでは名張郡に属し、川の上流部であったため上津江と呼ばれていたことが判る。今も道の駅からは近鉄名張駅まで三重交通バスが走っている。
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敷津(宇陀郡御杖村神末~岩坂峠)
この地域の伝承を集めた「敷津の七不思議」には①子もうけ石②月見岩③夫婦岩④倭姫命の手洗い井戸⑤弘法の井戸⑥金壺石⑦姫石明神がある。
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